日鉄物産システム建築

1. システム建築の定義

システム建築とは、建築を構成する部材を標準化することによって、建築生産トータルをシステム化し、商品化した建築物のことです。
「部材を標準化」とは、前もって準備された部材そのものの寸法・形状や、他の部材とのディテールがあらかじめ決定し、統一することです。
「建築生産トータル」とは、営業、設計から工場製作・施工まで、すべての建築生産プロセスを意味します。
「システム化」とは、標準化された部材と標準化された建築生産トータルのプロセス技術を、体系化し省力化することで、お客さまにとってわかりやすく「商品化」したもののことです。

2. システム化のステップ

(1) 対象マーケットを選定し、建物種別を限定します。

例えば、

  • 対象用途:工場、倉庫、店舗、事務所およびそれに類するもの
  • 建物種別:金属系外装部材を用いた鉄骨構造

(2) 限定した建物種別に対応する部材を標準化します。

(3) 標準化した部材をベースに、建築生産プロセスをシステム化します。

3. システム建築の特徴

(1) 営業段階

カタログやモデルハウス(建物)に代表されるように、お客さまに分かりやすく商品として提示できる営業が行えます。従って概略設計や見積についても、標準建物であれば即座にお見せすることができます。

(2) 設計段階

長年にわたって蓄積したデータベースを駆使して、標準化した計画・設計手法を用いて、合理的かつ経済的な設計を行います。そして、この設計「情報」を次の積算・施工図・工作図・製作図に自動展開していきます。

(3) 工場加工製作段階

現場加工・製作を極力少なくした部材・部品を工場で集中的に生産することにより、低コストで高品質な生産体制が構築できます。設計「情報」と連動して、CAD・CAMをもっとも実現しやすい建築生産手法だといえます。デリバリーについても現場の状況を的確に把握して、きめ細かな対応が行えます。

(4) 施工段階

標準化した施工方法により、短工期で高品質の建物を施工できます。システム開発の段階から、現場施工の省力化と省職種化を基本コンセプトにしているので、近年の技能労働者不足の対策にも合致した建築生産様式といえます。

(5) コンピュータの徹底的利用

言うまでもなく、上記すべてのプロセス技術に徹底的にコンピュータを利用することにより、効率的な生産体制と情報ネットワークを構築しています。