相続・税金対策

小規模宅地の優遇措置(特例の内容と事例)

小規模宅地等の評価の特例[事業所用小規模宅地は税金が有利なの?]

【Q】相続税について小規模宅地の評価の特例という優遇措置が注目されていますが、実際にはどのようなものなのか教えて下さい。


事業用小規模宅地の評価の特例というのは、アパートやマンション等の建っている土地の200m2以内の部分について相続の課税評価から50%が減額されるというものです。この特例は、とくに都心部や市街地などの高価な都市の相続税対策として効果を発揮します。
事例をご紹介してみましょう。

・ 時価40万円(1坪あたり)の土地を350坪(1157m2)所有し、 そこに賃貸マンションを建てた場合
・ 法定相続人/子供2人
・ 土地の時価/1億4,000万円
・ 土地の評価額/1億1,200万円

事業用小規模宅地の評価減
1億1200万円×(1-借地権割合0.5×借家権割合0.3)=9520万円
※ 地域によって異なります
             
貸家建付地の評価
9520万円×(200m2(※1)/1157m2(※2)×50%)=823万円
※1 1,157m2のうち200m2までの敷地が評価減の対象になる。
※2 200m2までの敷地について50%の評価減が行われる。

9520万円-823万円=8697万円

8,697万円÷1億1200万円=77.7%

小規模宅地等の評価の特例など更地評価の77.7%に評価額が減額されました。

不動産取得税の計算方法(60日以内に申告すれば特典あり)

不動産取得税[建物を建てたときかかる税金は?]

【Q】近いうちに貸店舗経営をはじめたい、と考えていますが、建てたときの不動産取得税はどのくらいかかるのでしょうか。その計算方法を教えてください。


不動産取得税は建物を建てると一度だけ都道府県より課税される税金です。
その計算方法は(住宅部分)
(建物の評価額-建築費2700万円×店舗部分の床面積の割合1/2×3%=37.8万円

住宅部分
(2700万円×0.7×控除額1,200万円×3世帯分)×税率0.03=0円

となり、住宅部分には課税されないことになります。 なお、1,200万円の控除額は一世帯あたりで計算ででき、不動産取得税は申告制で建物を取得した日から60日以内に都道府県税事務所に届出しないと1,200万円の控除額が受けられなくなることがありますので、注意して下さい。

※ 共同住宅等の場合に1,200万円の控除を受けるには、床面 積が1世帯あたり40m2以上240m2以下であることが必要です。(~平成10年3月31日まで取得35m2以上200m2以下平成10年4月1日~平成10年6月30日まで取得35m2以上240m2以下)

上手な土地の買い換え方(土地から土地の買換えが認められるケース )

土地→土地 買換え[上手に土地から土地へ買換えたい]

【Q】土地から土地の買換えが認められているのは、どのようなケースですか、教えて下さい。


それには大きく分けて3通りの買換えが認められていて、譲渡所得の一部又は全部が課税の繰延べとなります。

1. 特定事業用資産の買換え37条1項1号
三大都市圏(既成市街地)において営まれている事業用(農林業以外)の土地・建物を売却して、既成市街地以外の土地を購入する(農林業以外の事業用)。

2.居住用財産の買換え36条の2・居住用財産の買換え36条の6
土地・建物(居住用)を売却して、土地・建物(居住用)を買う。(ただし、居住用財産の買換えには特殊な条件がある。Q&A26項目参照)

3.特定事業用資産の買換え37条1項5号

農業用地(市街化区域のもの)を売却して農業用地(市街化区域外のもの)を購入する。(ただし、面積制限は原則として5倍まで

等価交換の具体的条件、メリット

等価交換等(1)[等価交換でうまれるメリットとは?]

【Q】よく等価交換という言葉を聞きますが、この等価交換とは一体どのようなことなのですか、教えて下さい。


これを簡単に説明しますと、土地所有者は土地を提供し、建築会社が建築資金と建物の施行を担当して、土地と建物を等しい価値で交換(区分所有)するというものです。

この制度には土地・建物の譲渡所得税が安くなるという大きなメリットがあります。 税法上では等価交換という言葉はありませんが、一般には次の3つが代表的な等価交換とよばれているものです。

(1) 特定の事業用資産の買換え(通常の買換えと呼ばれているものです。)
(2) 建物の高層化のための買換え(地上階数4以上)
(3) 中高層耐火共同住宅への買換え(地上階数3以上)

本来、交換というものは土地と土地、建物と建物でしかできなかったものがこの制度を利用することにより、実質的に土地と建物を交換したと同じ状態になるわけです。(1)は日本国中どこの市街化区域でも対象となるのに対し、(2)(3)については特定の地域でしか適用されません。 そのかわり、(1)に比べてその適用条件はかなり緩和されています。
この制度を利用される場合には、金銭の動きがないので税金問題が発生すると資金的に困ることになりますから、事前に税務署なり税理士に相談されることをおすすめします。

等価交換のあらまし、メリット

等価交換等(2)[等価交換でうまれるメリットとは?]

【Q】等価交換という方法で土地活用をすると、メリットが大きくなると言われているのですが、等価交換そのものについて教えて下さい。


等価交換と一言で言ってもいろんな方法があります。ここでいう等価交換の概略について説明しておきましょう。

等価交換というのは
■ 土地の所有者が自分の土地の一部を建設会社に提供し、
■ 建設会社が建てた建物(ビルやマンション等)の一部を取得する、
というものです。つまり、土地所有者が自分の提供した土地の一部と、建設会社が建てた建物の一部を交換する。これが等価交換のしくみになります。

等価交換でアパートやマンションを取得すると、その建設資金が不要なため、安定的に高収入が得られるというメリットがあります。

その上、税法上においても資産の買換えというかたちでたいへん優遇されています。つまり、本来ならば土地を譲渡した場合には譲渡所得税が課税されるのですが、等価交換の場合には、課税の繰延べの特典があるのです。このように税金によって目減りすることなく、アパートやマンションを取得することができるので、等価交換は財産保全策としても注目されているわけです。

居住用財産買い換え特例(マイホームからアパート併用マイホームへの買換えの特例)

住居用財産の特例[自宅併用アパートなら特例があるの?]

【Q】市街地の自宅を売却して、郊外に自宅併用のアパートを建てようと思っていますが、この場合、居住用財産の買換えの特例が受けられると聞きましたが、本当ですか、教えて下さい。


居住用財産の特例には以下のようなものがあり、要件に応じた特例を選択して利用することになります。
(1)3000万円の特例控除の特例
(2)3000万円の特別控除をして、軽減税率により税額を算定する特例
(3)特定の居住用財産の買換特例

上記の適用条件
(1)(2)について
・本人が居住していた家屋を譲渡した場合
・所有期間・取得原因などの条件はありません
(3)について
・本人が居住していた家屋を平成21年12月31日までに譲渡した場合
・譲渡した家屋の居住期間10年以上かつ所有期間10年超
・買い換えた家屋の床面積が50m2以上
・買い換えた家屋の敷地面積が500m2以下のもの

計算方法:10年以上所有している居住用財産の譲渡所得税
課税譲渡所得金額×税率10%税額
※ 課税譲渡所得金額=売却代金-売却原価-譲渡費用-3,000万円
※ 地方税の場合は4%
ただし、課税譲渡所得金額が6,000万円を超える時は・・・・
600万円+[課税譲渡所得金額-6,000万円]×15%となります。
※地方税の場合は5%

【A 従前資産】:【B 従後資産】
【売却代金】≤【購入・建築費】━ 【課税が繰り延べされる】
※売却代金より建築費が同額もしくは建築費が多い場合。

【売却代金】> 【購入・建築費】━【A-B 課税(差額に課税)】
※売却代金と建築費が少ない場合。

従前資産:譲渡した資産
従後資産:取得した資産

居住用財産の特例は、要件に応じて選択できます。
居住用財産の特例には、次のような特例があり、自分の用件に応じた特例を選択して利用するようになっています。

(1) 3000万円の特別控除の特例
(2) 3000万円の特別控除をして軽減税率により税額を算定する特例(以下、「特別控除・軽課の特例」といいます)
(3) 特定の居住用財産の買換特例

居住用財産の特別控除(添付書類と注意事項)

居住用財産の特別控除の手続き[特別控除を受けるには]

【Q】居住用財産の3,000万円の特別控除の適用を受けるには、どのような手続きが必要なのか教えて下さい。


譲渡をした年の翌年の3月15日までに、確定申告書(分離課税用)にこの特例の適用を受ける旨を記載し、書類を添付したうえで税務署に提出します。

添付書類
(1) 譲渡所得計算明細書
(2) 住民票の写し
(譲渡した日から2ヶ月経過してから作成されたもので、譲渡した家屋・土地所在地の市町村から交付を受けたもの。)

注意事項
なお、3,000万円の特別控除によって、課税譲渡所得がゼロになる場合でも、特例を受ける旨の記載をした確定申告書と添付書類を提出しなければ、この特例はうけられませんので注意してください。

アパート経営の確定申告は青色申告が有利(青色申告の特典)

確定申告

【Q】アパート経営を始めるにあたって、確定申告について教えて下さい。また、青色申告がよいと聞きましたが、それはなぜですか?


サラリーマンの方などの所得税は、毎月の給料から源泉徴収されて支払われますが、賃貸アパート経営を開始すると、1月1日~12月31日の1年間の所得を自ら計算して、税務署に申告・納税しなければなりません。
市町村役場で税額を計算して通知してくれる固定資産税などとは異なりますので、賃貸マンション経営開始と同時に、所得税の申告について準備しておく必要があります。
 ところで、一口に確定申告といっても「白色申告」と「青色申告」の2種類があり、「白色申告」とは所得が300万円を超えなければ記帳の義務がないかわりに「青色申告」と比べて特典が少なく、「青色申告」とは帳簿を正確に記帳する義務があるかわりに、一定の特典が与えられるというものです。
 そのため、経営開始当初から記帳を行って、特典がある「青色申告」を選択しておく方が有利であると言えそうです。
 具体的にどのような特典があるかは、アパート経営の規模やその他の条件によって異なりますが、主に以下の3つの特典があります。

 ところで、一口に確定申告といっても「白色申告」と「青色申告」の2種類があり、「白色申告」とは所得が300万円を超えなければ記帳の義務がないかわりに「青色申告」と比べて特典が少なく、「青色申告」とは帳簿を正確に記帳する義務があるかわりに、一定の特典が与えられるというものです。
 そのため、経営開始当初から記帳を行って、特典がある「青色申告」を選択しておく方が有利であると言えそうです。
 具体的にどのような特典があるかは、アパート経営の規模やその他の条件によって異なりますが、主に以下の3つの特典があります。

青色申告者の特典

  1. 青色申告特別控除
    青色申告者になると、アパート・マンションの規模に関わらず一律10万円の「青色申告特別控除」が、不動産所得から控除されます。また、事業的な規模(アパートなら10室以上、一戸建ての貸家なら5棟以上)で貸家経営をしている者については、その記帳・決算の仕方に応じて55万円まで特別控除を受けることができます。
  2. 専従者に対する給与等
    青色申告者は、「青色専従者給与」として届け出た額まで必要経費となります。
    尚、青色・白色申告どちらの場合も、「専従者」とした者は控除対象配偶者になりませんので、「配偶者控除」「配偶者特別控除」ともに受けられなくなります。また、子どもの場合は扶養家族になりませんので、「扶養控除」は受けられません。
    ※「専従者給与」・・・生計をともにする配偶者や子どもに給与(給与+賞与)を支給し、賃貸事業の経費とすることができる。
  3.  

  4. 純損失の繰越控除
    「純損失の繰越控除」とは、その年の赤字を次年度以降3年間まで繰り越して、黒字の所得と通算できるというものです。賃貸住宅経営を始めた当初は、減価償却費の関係で通常の不動産所得が赤字(マイナス)になります。この赤字を、ほかに給与所得等があればその所得と「損益通算」することにより、所得税の節税がはかれるわけです。
     ところが、白色申告者で他の所得がほとんどない場合には、赤字はその年度で切捨てられてしまいます。したがって、給与所得などの所得がほとんどない場合には、青色申告の方がぐんと有利になります。
    「損益通算」…赤字(損)の所得と黒字(益)の所得を合算して所得税を計算すること。
 青色申告白色申告
青色申告特別控除事業的規模の不動産所得正規の簿記の原則に従って記帳(一般的には複式簿記)→55万円の控除適用なし
簡易な方式により記帳→45万円の控除(平成17年分まで)
上記以外10万円の控除
専従者給与適正な額であれば、全額必要経費配偶者86万円まで
配偶者以外50万円まで
純損失の繰越控除翌年以降3年間繰越控除ができる適用なし

青色申告をするために
一定の期日※までに「所得税の青色申告承諾申請書」を納税地の所轄税務署に提出する必要があります。尚、提出後その年の12月31日までに税務署から何の通知もなければ、その申請は承認されたものとして取り扱われます。
※期日

アパート経営をしている方
アパート経営を新たに始める方(1/1~1/15に開業)
青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで
アパート経営を新たに始める方(1/16~12/31に開業)事業開始の日から2ヶ月以内
相続により事業を承継した方相続開始を知った日から4ヶ月以内
(提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限となります。
特定事業用資産の買換(立体買換え制度の拡充/三大都市圏から市街化区域へ)

特定事業用資産の買換えの特例[立体買換え制度ができる地区](措法37条1項13号)

【Q】今度、立体買換え制度が、三大都市圏以外の地域でも認められるようになったそうですが、内容を教えて下さい。


この制度は三大都市圏(既成市街地等)だけ認められていましたが、以前の税制改正で次のように改正されました。

(1) 対象地域を従来の三大都市圏の既成市街地等から、全国の市街化区域に拡大する。
(2) 買換資産となる建物についてその範囲を建築面積が150m2以上のものに限ることとするとともに、階数要件をアパートやマンションに限り、3階以上(※現行4階以上)に引き下げる。

また、譲渡資産および買換資産の所在地が市街化区域または既成市街化地域等にあることを証する市町村長の書類を確定申告書に添付しなければならないこととされました。

※ただしそのアパートやマンションは耐火構造または簡易耐火構造で、その床面積の5分の3以上に相当する部分が住宅の用に供されていること。

家賃収入の消費税(消費税等のしくみと税額の計算方法)

消費税等のあらまし[家賃にかかる消費税とは]

【Q】家賃の消費税等について知りたいのですが教えて下さい。


アパート、マンションなどの居住用の建物の家賃は非課税で、貸店舗、貸ビル、貸倉庫、貸工場などの非居住用の建物の家賃は消費税が課税されます。

家賃収入が3,000万円以超の場合の消費税に該当する人と負担率

免税業者家賃収入が3,000万円以下の場合無税(17年からは1000万円以下)
簡易課税業者家賃収入が3,000万円超2億円以下の場合5%の税率
<課税売上×みなし仕入率50%×税率5%>
(17年からは1000万円以下)
一般課税業者家賃収入が2億円超の場合5%の税率
<(課税売上-課税仕入)×5%>

※簡易課税制度を利用すると、2年間は変更できません。

■ 申告と納税
個人については翌年の1月1日から3ヶ月以内。
法人については事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内に申告、納税を行います。

■ 簡易課税制度で
4,500万円×(1-0.5)×0.05=112万5,000円
※消費税は入居者負担とすることが原則になります。

消費税が節税できる非住宅の建設

消費税等の活用[非住宅の消費税なら戻ってくるの?]

【Q】いまテナントビルを建てようと計画中ですが、非住宅の場合なら、建設時に支払った消費税等が戻ってくると聞いています、それは本当ですか、教えて下さい。


テナントビルをはじめ、貸店舗や貸倉庫、貸工場のような非住宅を建設した場合には、建設時に支払った消費税等を取り戻すことができます。

経営を始める際に「課税事業者の選択の届け出」を活用することで、既に納税済みとなっている消費税等額について相当額の還付を受けることができます。

テナントビルの建設(購入)時…時価1億円
消費税等500万円

■「課税事業者の選択の届出」をした経営初年度
(課税事業者の選択をすると還付を受ける権利が発生する)
6月に開業した場合、
収入(家賃+礼金)700万円-一般的な経費(支払利子、減価償却費等は除く)300万円=400万円

経営初年度の消費税額400万円×0.05-消費税(建設費にかかる消費税)500万円=△480万円
経営初年度は480万円の還付

■2年目以降
収入(家賃+礼金)1,200万円-経費(支払利子、減価償却費等は除く)100万円=1,100万円

1,100万円×0.05=55万円
2年目は納税、3年目以降は納税の必要なし

■課税必要なしの理由
納税事業者の選択の届出は2年間有効なため3年目に廃止してよいことになっていますので、以降については廃止すれば納税が免除されます。