近年、夏の猛暑が年々厳しさを増す中、建設現場における熱中症対策は、これまで以上に重要な課題となっています。
2026年8月20日付の日本工業経済新聞では、茨城県建設業協会がまとめた「建設業における熱中症対策に関する提言」が紹介されました。そこでは、従来の水分補給や休憩時間の確保といった対策に加え、働く時期や時間そのものを見直す考え方が示されています。
提言では、こうした新しい働き方を「クールシフト」と位置付け、フレックスタイム制、夏季休工制度、1年単位の変形労働時間制などを選択肢として挙げています。
特に注目されているのが、1年単位の変形労働時間制です。
猛暑となる時期の労働時間を抑え、その分を比較的働きやすい季節へ振り替えることで、工事を全面的に休止することなく、熱中症のリスクを減らしていく考え方です。工事の継続性を確保しながら、働く人の安全を守る方法の一つとして提案されています。
一方で、施工会社が働き方だけを変えれば解決する問題ではありません。
記事では、会員企業へのアンケート結果として、
- 「猛暑日を考慮した柔軟な工期設定」 78.1%
- 「熱中症対策費の適切な計上」 69.1%
- 「作業効率低下に応じた夏季歩掛の見直し」 62.7%
といった要望が紹介されています。
猛暑の中では、通常期と同じような作業効率を維持することが難しくなります。
そのため、熱中症対策を実効性のあるものとするには、施工会社による安全管理だけでなく、発注者を含めた適正な工期設定や積算、契約制度のあり方まで含めて考えていく必要があるということになります。
当社でも、社員が安心して働ける職場環境づくりを重要な課題と考えています。
夏季についても、一律に決められた休業日だけに頼るのではなく、業務状況を踏まえながら社員が有給休暇を取得しやすい環境づくりを進めています。
建設業では、安全を守りながら工事を完成させることが何より重要です。しかし、気候そのものが大きく変化している現在、これまでと同じ働き方を続けるだけでは対応できない場面も増えてきています。
暑さに人が合わせるのではなく、暑さに合わせて働き方を変えていく。
今回の提言は、これからの建設業に必要となる働き方を考えるうえで、大きな一歩ではないでしょうか。
当社としても、安全確保を最優先にしながら、社員一人ひとりが働きやすく、長く活躍できる職場環境づくりを今後も進めてまいります。
